【生後6ヶ月の絵本選び完全ガイド】赤ちゃんの発達を促すおすすめ絵本と読み聞かせのコツ

**生後6ヶ月を迎えた赤ちゃんに、どんな絵本を選べばいいのか悩んでいませんか?**この時期の赤ちゃんは視力や色彩認識が急速に発達し、絵本への興味も格段に高まります。本記事では、6ヶ月の赤ちゃんの発達に最適な絵本の選び方から、脳科学に基づいた読み聞かせの効果、おすすめ絵本まで、専門的な知見を交えて詳しく解説します。

生後6ヶ月の赤ちゃんの発達状況と絵本の意味

身体的・認知的発達の特徴

こども家庭庁の令和5年「乳幼児身体発育調査結果」によると、生後6ヶ月の赤ちゃんの平均値は以下の通りです。

項目男の子女の子
身長67.6cm66.3cm
体重7.91kg7.47kg

この時期は体の成長がゆるやかになる一方で、視覚や運動機能が著しく発達する重要な時期です。

視覚能力の発達

生後6ヶ月頃には視力が0.1~0.4程度まで発達し、赤ちゃんの見える世界は大きく変化します。

視覚発達のタイムライン:

  • 生後0~1ヶ月:黒・白・グレーの濃淡をぼんやり認識(視力0.01~0.03)
  • 生後2~3ヶ月:赤・黄・緑などの色を認識開始
  • 生後4~6ヶ月:オレンジ・紫・青なども認識可能に
  • 生後6ヶ月以降:ほぼすべての色を認識できる

研究によると、赤ちゃんの色彩感覚は誕生後に急速に発達し、だいたい4ヶ月後に大人と同じ色彩感覚を得られるとされています。

運動機能と絵本への関わり方

6ヶ月頃の赤ちゃんは以下の能力を獲得します:

  • 寝返りが上手になる
  • お座り(支えがあれば)ができる
  • 手を伸ばして物をつかむことができる
  • 両手で物を持つことができる

これらの発達により、絵本を自分で触ったり、ページをめくろうとしたりする行動が見られるようになります。

脳科学が明かす読み聞かせの驚くべき効果

脳の発達への影響

絵本の読み聞かせは子供の「心の脳」に直接働きかけることがわかっており、うれしい、たのしい、こわい、悲しいがちゃんとわかる子が育つとされています。

脳科学的に証明された効果:

  1. 感情を司る脳の発達促進
  2. 言語野の活性化
  3. 記憶と学習機能の向上
  4. 集中力の向上

親の脳への影響

研究結果では読み聞かせをしているお母さんの脳は、ただ読書しているときより、もっと活動していたことが判明しています。これは、読み聞かせが親子双方の脳の健康に良い影響を与えることを示しています。

語彙力向上への科学的根拠

お母さんが乳幼児期の子どもにたくさん話しかければかけるほど、子どもが理解できる言葉の数が多くなるという研究結果があります。絵本の読み聞かせによって、普段の会話では使わない表現や言葉を子どもに聞かせることができ、語彙力の土台が築かれます。

6ヶ月の赤ちゃんに最適な絵本の選び方

発達段階に応じた選び方のポイント

1. 色彩とコントラストを重視

  • はっきりした原色を使った絵本を選ぶ
  • 黒と白のコントラストが強いものも効果的
  • 赤ちゃんは、赤や黒などのコントラストが強い色に反応するため、この特性を活かした絵本がおすすめ

2. 形状とパターン

  • 丸や円など、赤ちゃんが認識しやすい形
  • しましま・ぐるぐるなどの繰り返しパターン
  • 顔のような形(赤ちゃんは人の顔に強い関心を示す)

3. 素材と安全性

  • 角が丸い厚紙やボードブック
  • 口に入れても安全な素材
  • 破れにくい加工が施されたもの

内容による分類

感覚刺激系絵本

  • 触って楽しめる布絵本
  • 音が出る仕掛け絵本
  • 鏡がついた絵本

言葉・リズム系絵本

  • 擬音語(オノマトペ)が豊富
  • 繰り返しの言葉やリズム
  • 短い言葉で構成された絵本

日常生活系絵本

  • 食べ物が出てくる絵本
  • 動物が登場する絵本
  • 挨拶や生活習慣の絵本

6ヶ月の赤ちゃんにおすすめの絵本15選

【定番・人気絵本】

1. しましまぐるぐる

  • 作者:柏原晃夫
  • 特徴:実際に赤ちゃんにイラストを見せて反応が良かったデザインや色が取り入れられており、厚紙に耐水コーティングが施されているため、破れにくく安心
  • 効果:コントラストの強い色彩で視覚発達を促進

2. いないいないばあ

  • 作者:松谷みよ子
  • 特徴:6ヶ月くらいから読んでいて、現在でも大好きな本で、めくりたい!と手を出してきて、破いてしまいそうだったが、それだけ食いつき抜群
  • 効果:期待感と驚きで感情の発達を促進

3. だるまさんが

  • 作者:かがくいひろし
  • 特徴:「だ・る・ま・さん・が」のリズムに合わせてさまざまなリアクションをだるまさんがみせてくれる
  • 効果:リズム感と模倣行動の発達

4. もいもい

  • 作者:市原淳、開一夫
  • 特徴:赤ちゃんの目をくぎづけにするキャラクター「モイモイ」が登場する絵本で、もいもいを見ると泣き止む赤ちゃんも続出
  • 効果:赤ちゃん学に基づいた科学的アプローチ

5. くっついた

  • 作者:三浦太郎
  • 特徴:「くっついた」というフレーズに合わせて何度もあかちゃんとくっつんこができ、生後4~6ヶ月の赤ちゃんでも、声を出して笑うことが多い
  • 効果:親子のスキンシップと愛着形成

【色彩・感覚系絵本】

6. あかあかくろくろ

  • シリーズ:いっしょにあそぼ(0~2歳児向け)
  • 特徴:色合い的には赤と黒ではっきりしているので、赤ちゃんとしては見やすい
  • 効果:色の認識能力向上

7. ぶんぶんきいろ

  • シリーズ:いっしょにあそぼ(0~2歳児向け)
  • 特徴:赤ちゃんは3原色を6カ月くらいから認識できるようで、この絵本は反応が良い
  • 効果:黄色と黒のコントラストで視覚刺激

8. しゃかしゃか

  • 作者:新井洋行
  • 特徴:絵本の中にビーズが入っていて、動きだけでなく音も楽しめる
  • 効果:聴覚と触覚の同時刺激

【仕掛け・音絵本】

9. たのしいてあそびうた

  • 特徴:メロディーが流れるボタンを押すと本についているスピーカーから歌が流れ、「グーチョキパーでなにつくろう」や「パンダうさぎコアラ」など全9曲が収録
  • 効果:音楽的感性と手指の発達

10. あおいよるのゆめ

  • 作者:ガブリエーレ・クリーマ
  • 特徴:指で仕掛けを動かすと、絵本の中の厚紙がスライドして星が出てきたりチューリップが咲いたりと視覚的に変化がある
  • 効果:因果関係の理解と手指の巧緻性

【動物・日常系絵本】

11. ぴょーん

  • 作者:松岡達英
  • 特徴:「かえるが…ぴょーん!」「こねこが…ぴょーん!」絵本の中の動物や昆虫たちと一緒に、子どもたちもジャンプしてしまう
  • 効果:模倣行動と身体表現の発達

12. くだものさん

  • 作者:tupera tupera
  • 特徴:飛び出す絵本になっていて、遠目から読むのにも見栄えがする
  • 効果:食べ物への興味と立体認識

13. どうぶついろいろかくれんぼ

  • 作者:いしかわこうじ
  • 特徴:鳴き声が楽しいのと、型抜きになっていて次を予想しながら楽しめる
  • 効果:動物への興味と予測能力

【布絵本・知育系】

14. はらぺこあおむし どこでもソフトブック

  • 特徴:布絵本で、しかけ絵本、仕掛け絵本、音、お出かけ、歯固め、鏡など多機能
  • 効果:持ち運び可能で多感覚刺激

15. いただきますあそび

  • 作者:きむらゆういち
  • 特徴:いろいろな動物たちが登場し、「こんにちは」のあいさつをし、登場する動物たちのおじぎをする姿がとてもかわいい
  • 効果:挨拶と社会性の基礎

読み聞かせの効果的な方法とコツ

基本的な読み聞かせの姿勢

環境設定

  • 静かで落ち着いた環境を作る
  • 適度な明るさを保つ
  • 赤ちゃんが見やすい距離(30cm程度)で読む

声の出し方

  • 子どもが安心して聞くことができる声のトーンを心がけ、あまり大げさに演じ過ぎると内容が入ってこなくなってしまう
  • ゆっくりとした話速で読む
  • 抑揚をつけて感情を込める

発達段階別のアプローチ

6ヶ月前半の場合

  • 短時間(5~10分)から始める
  • 反応がなくても続ける
  • 触らせて質感を体験させる

6ヶ月後半の場合

  • お座りの姿勢で読む
  • 指差しで絵を示す
  • 簡単な擬音語を強調する

注意すべきポイント

絵本を読んでいる途中で「○○ちゃんだったらどうする?」「この先どうなるかな?」と子どもに質問すると、子どもの集中力が途切れてしまうため、基本的には絵本の世界に集中させることが大切です。

統計データで見る絵本の効果

保有数と読み聞かせ頻度

「絵本の読み聞かせに関する調査(株式会社コズレ)」によると、生後6〜8ヶ月の赤ちゃんを育てる方の絵本の平均所持冊数は8.88冊で、1日に読み聞かせをする平均冊数は1冊が35%で最多でした。

推奨される絵本環境:

  • 所有数:8~10冊程度から始める
  • 読み聞かせ頻度:1日1~2冊
  • 時間:1回5~15分程度

学力との相関関係

平成25年の文部科学省の調査では、小さいころに読み聞かせをしていた家庭の子どもは、学力が高い傾向にあるという研究結果が示されています。

月齢別発達チェックリスト

6ヶ月頃にできること・見られる反応

視覚面

  • ✓ カラフルな絵本に興味を示す
  • ✓ 動く絵本を目で追う
  • ✓ 鮮やかな色に反応する
  • ✓ コントラストの強い絵柄に注目する

運動面

  • ✓ 絵本を両手で持とうとする
  • ✓ ページをめくろうとする
  • ✓ 絵本を口に持っていく
  • ✓ 手で絵本をたたく

認知・言語面

  • ✓ 音の出る絵本に反応する
  • ✓ 読み手の声に反応する
  • ✓ 繰り返しの言葉に笑う
  • ✓ 絵本を見て声を出す

絵本選びでよくある質問

Q1: 反応がない場合はどうすれば?

A: 絵本を読み聞かせて反応がなくても安心してください。赤ちゃんは必ず何かを感じ取っています。個人差があるため、継続することが重要です。

Q2: 同じ絵本ばかり読んでも大丈夫?

A: むしろ推奨されます。良質の絵本を何度も何度も読ませることは、様々な育児関連の本などでも推奨されているため、赤ちゃんが気に入った絵本は繰り返し読んであげましょう。

Q3: 破いてしまった場合は?

A: 絵本をバシバシたたいて喜んでいたり、めくりたい!と手を出してきて、破いてしまいそうだったのは、それだけ食いつき抜群という証拠です。丈夫な素材の絵本を選ぶか、破れた絵本もそのまま使い続けて構いません。

Q4: 電子絵本でも効果はある?

A: 紙書籍の絵本と比べて、電子(デジタル)書籍においても、消極的な影響は見られないという研究結果があります。ただし、6ヶ月の赤ちゃんには実際に触れる紙の絵本がおすすめです。

成長を促す環境づくり

絵本コーナーの作り方

配置のポイント

  • 赤ちゃんの手の届く場所に絵本を置く
  • 表紙が見えるように立てて収納
  • 安全な素材で囲まれた空間

整理整頓のコツ

  • 月齢に応じて入れ替えを行う
  • 破損した絵本も処分せず継続使用
  • 新しい絵本は定期的に追加

習慣化のポイント

時間の設定

  • 決まった時間(例:お風呂の後)に読む
  • 赤ちゃんの機嫌が良い時を選ぶ
  • 無理をせず親子ともにリラックスした状態で

継続のコツ

  • 完璧を求めない
  • 読めない日があっても気にしない
  • 親自身も楽しむことを心がける

まとめ:6ヶ月からの絵本で豊かな未来を

生後6ヶ月は、赤ちゃんの視覚や認知機能が急速に発達する重要な時期です。この時期に適切な絵本を選び、愛情を込めて読み聞かせを行うことで、以下の効果が期待できます:

短期的効果

  • 視覚・聴覚・触覚の発達促進
  • 親子の愛着関係強化
  • 感情表現の豊かさ向上
  • 集中力の基礎形成

長期的効果

  • 語彙力・読解力の向上
  • 想像力・創造力の発達
  • 学習意欲の向上
  • 情緒の安定

科学的根拠に基づいた選択を行い、赤ちゃんのペースに合わせた読み聞かせを心がけることで、お子様の健やかな成長を支援できます。

絵本は単なる知育ツールではなく、親子の絆を深める大切なコミュニケーションの時間です。この記事を参考に、お子様に最適な絵本を見つけて、素晴らしい読み聞かせライフを始めてみてください。


参考文献:

  • こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査結果の概要」
  • 株式会社コズレ「絵本の読み聞かせに関する調査」
  • 文部科学省「平成25年度全国学力・学習状況調査」
  • 各種脳科学・発達心理学研究論文